保育園栄養士の配置状況と役割

保育園栄養士は保育園に必要なのか、いる場合にはどんな仕事をお願いすればよいのか、栄養士と調理員の違いについてもお答えします。

皆さんの保育園に栄養士はいますか？そもそも、保育園に栄養士は必要なのでしょうか。配置している場合には保育園栄養士に担当してもらう仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。調理員との違いも含めてお答えします。

保育園での栄養士の配置基準

　保育園の栄養士配置は特に義務付けられていません。（自治体によっては、独自の配置基準を設けている場合もあります。）児童福祉法第45条の規定に基づき、児童福祉施設最低基準第33条では、「保育所には、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない」と定められています。このように、調理員の配置は義務付けられていますが、栄養士の配置に関しては考「考慮すること」に留まっています。

保育園の栄養士配置状況

　平成24年3月に厚生労働省が発表した「保育所における食事の提供ガイドライン」によると、自園に栄養士が配置されている保育所は約42％でした。内訳を見てみると、「委託先」が275円（85.1％）、「自治体」が10園（3.1％、「自園」が9園（2.8％）で、委託先の配置がほとんどです。

　栄養士を配置していない園では、「子どもの成長・発達に合わせた食事提供ができているのか」「季節感を感じる献立が提供できているか」「行事食を等して食文化に触れる機会を提供できているか」という悩みを抱えている場合があるようです。

保育園栄養士の仕事

　保育園に栄養士の配置が義務付けられていないにも関わらず、保育園が栄養士を必要とするのはなぜでしょう。

保育園栄養士を配置するねらい

保育園給食で独自性を発揮したい

　保育園運営が多様化している中、保育内容で他園との差別化をはかる保育園が増えています。特に給食は保護者にとっても重要ポイントとなるようです。私たちの身体は食べ物から作られ、どのような環境で食べるかということは心の育ちに影響します。身体も心も育む給食を提供するためにも栄養士の専門知識や技術が求められています。

乳幼児が対象だからこそしっかりと個別対応したい

　保育園に通う子ども達の中には、食物アレルギーを持つお子さんや発達段階に応じた離乳食の提供が必要なお子さんがいます。こういった子ども達へ、正しい専門知識をもとにした安全な個別対応が求められます。

保育園における栄養士の役割

　保育園では、地域の子育て家庭からも栄養・食生活に関する相談を受けることが多くあります。栄養・食生活に関する専門的知識をゆうする立場として、栄養士や管理栄養士、調理員が配置されている場合が多いようです。それでは実際に栄養士や調理員の保育園における役割はどのようなことがあげられるでしょうか。

このように、栄養士は幅広い業務に従事することが期待されています。しかし、栄養士の仕事は、献立作成を含む栄養管理業務と園児の食事提供に留まっていることが現状なようです。保育園の栄養士さんの仕事を見てみると、子ども達の給食やおやつを調理、配膳、片付けをすることを基本とし、午後の空いた時間帯で上手く献立作成、発注、在庫管理、おたより作成などを行っているようです。特に献立立案と呼ばれる献立を考える作業にかかる時間は、人により大きな差が生じています。料理と料理を組み合わせて献立を考える作業は、栄養士にとって楽しみややりがいを感じる仕事である一方、いくらでも時間をかけようと思えばかけられる仕事なのです。「もっと子ども達のところに足を運んで食育活動をしたい」「もっといろいろな人の栄養相談にのりたい」と考えていても、実際は献立と調理に追われる毎日である方が多いようです。時間の制約も大きい仕事ですので、見た目よく、味良く、栄養バランスもよい献立を効率よく立て、事務時間を削減していくことが、栄養士の仕事の幅を広げる近道かもしれません。