子どもの腸内環境
先日、大人の腸内環境や腸内フローラについてご紹介しました。実はこの腸内環境の話は、大人はもちろん、子どもの元気な毎日にも関わる話題のキーワードです。健康な腸は日々の生活や毎日の食生活から生まれるものです。離乳食を始めるころから意識して、バランスの良い食事を整えたいですね。
お母さんの腸内細菌が赤ちゃんへ・・・
子宮の中にいる赤ちゃんはほぼ無菌状態です。産道にはお母さんの体内の腸内細菌が存在しており、出産時に産道を通ることで赤ちゃんの口や鼻からお母さんの腸内細菌が入り込みます。そして、産後のスキンシップや食事を通じて腸内細菌を獲得していくと言われています。
腸内フローラのバランスは3歳までに決まる!
出生後空気中の細菌や、お母さん、病院スタッフの手指などに付着する細菌が、口や鼻から入るため、赤ちゃんは生後1日目にはすでに大腸菌などが便から検出されます。しかし、生後3~4日目になると、母乳に含まれてるビフィズス因子(ビフィズス菌の生育に必要な因子)やオリゴ糖の効果から、腸内にはビフィズス菌が増えて大腸菌が減り、生後1週間頃にはビフィズス菌がほとんどを占めます。この時は、腸内細菌の95%以上をビフィズス菌が占めていると言われています。その後、3ヶ月頃までには約90%を占めたまま推移しますが、離乳食が始まるとその比率は減少していきます。そして3歳ごろには腸内フローラのバランスが決まると言われているのです。3歳を過ぎると腸内環境は安定し、多少の変化でバランスが崩れてももとに戻ってしまいます。つまり、3歳までにどんな生活をしているかが免疫力の強さを決めることにつながるのです。
腸内環境に影響する生活習慣
腸内環境に最も影響を及ぼす生活習慣は食事です。善玉菌を多く含む食品を食べることだけではなく、善玉菌を増やす際にエサとなる水溶性食物繊維を多く含む食品を食べること等、腸内細菌にどのような食べ物を送るかによってバランスは決まってきます。小さいころから偏りなくバランスの良い食事を提供することがおすすめです。
そして、子どものころに過ごす場所や体験も影響を与えると言われています。家の中にいることが多いか、外で遊ぶことがおおいかでも腸内環境のバランスは変わります。砂遊びや泥遊び、自然界には将来的に私たちの身体を守ってくれる菌や微生物が存在していますので、外遊びも重要な要素です。
手洗い、手指消毒の徹底が当たり前の日常ですが、自己免疫獲得に向けた腸内環境を整える食生活と活動で元気に過ごしたいですね。