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田植え体験から学ぶこと

 3年ぶりに新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限外内ゴールデンウィークを過ごしました。少しずつではありますが様々なイベントへの規制も緩和されており、今年度は様々な行事を実施する保育園も増えるのではないかと予想しています。

 5月から6月にかけて本州では田植えの時期になるため、「今年は久しぶりに田植え体験に行く」という声も聞こえてきました。「ここ数年は田植え体験ができなかった」「これまで田植えを体験したことがない」など、様々な方がいらっしゃると思います。日本の主食である米作りを実際に体験することは、子ども達にどのような効果があるのでしょうか。


田植えから収穫までの流れ

 お米作りは、は4月頃の種まきから始まり、5月~6月上旬にかけて田植え、成長時期を経て9月に収穫します。


 お米ができあがるまでには田んぼや苗の準備に加え、田植えをした後も草刈りをしたり害虫駆除をしたりと多くの手間がかかります。この多くの手間を88回と表現し、「実までに88回の手間がかかる」としてこの漢字ができあがったとされています。スーパーに行けばいつでも手に入り、日常的に当たり前のように食卓に並ぶごはん、実は大変な手間がかかってつくられているのです。




田植えの体験から学ぶこと

 子ども達は田植えを経験するとどんなことを学ぶのでしょうか。首都圏で生活する子どもたちにとって畑ではなく水田を初めて目にする子もいるでしょう。

  • 田んぼに足を運ぶことで五感を使って自然を感じ、普段の生活では味わうことのできない感覚から新たな発見が生まれる。
  • 生産者・地域の方との交流の機会が生まれる。
  • 普段食べているお米を育てる大変さを知ることで、食べ物へのありがたみを感じる。
  • 自分で育てることでお米への興味関心が高まり、食べる意欲につながる。

 このように米作りを体験し、どれだけ手間をかけて作られているかを知ることは、日本の主食である米に興味や関心を持ち、生産者への感謝の気持ちを育み、食べるきっかけづくりとしてとても効果的です。食の欧米化が進み米離れは深刻です。パンやパスタなど小麦製品を食べ慣れているせいか、白いご飯が苦手という声をよく耳にするようになりました。日本の伝統的な食文化であるご飯を中心とした食事を継承していくためにも、様々な経験をきっかけに、毎日の食事に対する関心や意欲を高める機会としていきたいところです。

 実際に私たちのお取引先で10年以上にわたり、田植えと稲刈りを子どもたちと体験している保育園があります。コロナ禍でしばらくお休みしていた田植え遠足が久しぶりに再会されたようで、先日、子ども達が泥だらけになり活き活きとした表情で田植えをした写真を拝見しました。子ども達は毎年苗を一部持ち帰ってきて、先生方とたらいのミニ水田を作り、稲の成長を見守っていきます。「田植えをした稲の様子はどうかな?」と田んぼの管理をしてくださっている方からの写真やお手紙での様子とミニ水田の稲の様子を比較しています。台風がくれは「稲は大丈夫かな」と心配したり、子ども達が米作りに興味をもち、稲の成長を楽しみに気にかけていることは、会話のあちこちから感じられます。今年も無事に稲刈りが迎えられ、美味しい新米を食べられる日が楽しみです。


 

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